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パソコン修理とデータ復旧ではアプローチが違う
ヤマダ電機やケーズデンキなどにパソコン修理をかねてデータ復元サービスを依頼したいと思っている人もいるかもしれませんが、パソコントラブルで故障が起こった際に、データの復旧を兼ねて持ち込むことはあまりおすすめ出来ません。というのも、パソコン修理とデータ復旧ではアプローチが全く違うからです。
パソコンの修理サービスだけを希望して持ち込むのは問題ありません。内蔵のハードディスクさえ問題なければ初期化し、リカバリーすることでOSは起動できるようになります。
ここで問題なのは、保存してあったデータは消失します。厳密にいえばWindowsなどのOS側からはデータが見えなくなります。ハードディスク上のデータがOSから見えなくなると、その箇所はデータがないと認識され、OSやアプリケーションプログラム、データなどが上書きされるようになります。そのため、保存してあったデータは破損、消失してしまうわけです。
そのため、パソコン修理をしてからデータ復元サービスを依頼することは基本的には出来ません。順番的にはデータ復元をした後に、パソコンの修理を依頼するという順番になります。
BIOSとSMARTエラーのチェックが基本
内蔵のハードディスクが機械的に問題なければ、データを復元することはパソコンショップや家電量販店の修理サービスで対応可能な場合があります。
通常、PCデポなどのパソコン修理ショップでは、BIOS上でハードディスクを認識しているか、またはSMARTエラーが発生していないかどうか、パソコンの健康状態をチェックします。特にハードディスクは長年使用していると劣化するので、要チェックポイントになっています。
OS側の復旧を優先した場合に起きるトラブル事例
但し、素人の自分よりも、パソコンに詳しい専門技術者が多いから大丈夫だろうと思っているとショップに持ち込んでも危険な場合があります。特にOS側の復旧を優先したばあいに起きるケースがあります。
スキャンディスク
それがスキャンディスクです。モニター画面に『修復しますか』と表示されるため、『はい』とクリックして進めてしまうと、運よく、OSは修復されても、データが全滅してしまうケー
スがあるからです。スキャンディスクは軽度なセクターエラーなら修復してくれる場合がありますが、バッドセクターと呼ばれる重度のセクターエラーが多発している状態で、実行してしまうと、ハードディスク内に保管してあったデータをほとんど破壊してしまいます。
フォーマット
これは、スキャンディスクだけに限らず、フォーマットも同様です。一般的にはフォーマットだけならデータ復旧は簡単という認識がありますが、決してそうではありません。フォーマットするという行為はスキャンディスク同様に、データを破壊してしまう恐れが充分にあるのです。
特に購入から4年以上経過し、内蔵HDDを一度も交換したことがない場合、多くのハードディスクが劣化しています。この劣化とともにバッドセクターと呼ばれる重度のセクターエラーが多発するようになります。兆候としては次のようなケースがよくあります。
- ウィンドウズの起動が遅くなった
- パソコンが終了できなくなった
- 作業中にパソコンが良く固まりフリーズするようになった
- データの読み書きに時間がかかるようになった
4年以上経過し劣化したハードディスクは要注意
異常な兆候は特に購入から4年以上経過し劣化したハードディスクに多いのです。このようなハードディスクに対し、誤って「スキャンディスク」をかけたり「フォーマット」しては絶対にいけません!!。
ネット上には一部、「スキャンディスク」をかければ修復できるとか、「フォーマット」してもデータは復旧できるから試してみればといった安易な記事や言動がありますが、データが重要な場合には試すことで2度とデータが手に入らないトラブルになってしまう可能性が高いのです。
「スキャンディスク」や「フォーマット」をしなければ、充分に復旧できたという事例が多いので、注意した方が良いでしょう。
これは、一般ユーザーでも、同じです。モニターに何か表示されたからと言って『はい』をクリックしてしまうと何かとトラブルに巻き込まれることが良くあります。またスキャンディスク以外にもウィルスの感染経路となってしまうケースがあるのです。
そのためデータが大切な場合、ヤマダ電機やケーズデンキ、PCデポなどにパソコンの修理を依頼する場合には、あらかじめ「データの復旧をお願いします」と伝えなければいけません。
データが大切な場合、「OSを起動できるようにお願いします」と最初に伝えてはいけないのです。利用者の中には、パソコンの修理をすれば、またはOSの修復ができれば、データも元の状態で戻ってくるものだと勘違いして作業を依頼してしまう人が結構、大いため、この、最初の依頼内容はとても大切なポイントです。
パソコン修理店やPC出張サポートにデータ復旧を依頼すると高くつく!?
パソコンの故障やトラブルが発生した場合、「パソコン自体は古いので修理するつもりはないけど、中のデータだけでも何とかしてほしい!!」と、近所のパソコン修理店やチラシに載っていたPC出張サポートにデータ復旧を依頼する場合があるかもしれません。
ですが、実はこのような行為は、結果的に費用が高くつくことが良くあります。
というのも、パソコン修理店では、データの復旧の可否に関わらず、調査代金を請求されます。これは、PC出張サポートでも同じです。
パソコン修理店:5,000円から7,000円(税抜)
PC出張サポート:7,000円から12,000円(税抜)
くどいですが、データが復元できなくても、この料金は発生します・・・。
つまり、データが復元のために他のパソコン修理店なら出来るかもと、2、3軒に依頼しただけで、それだけでも1万円から2万円以上の出費になります。
では、始めからデータ復元の専門会社に依頼した場合は、復旧ができなかった場合には、無料のところがほとんどです。送料はかかりケースが多いですが、それでも往復1000円程度ですみます。
そのためデータを復旧したい場合には、最初から専門の業者に相談し、見積もりをした方が結果的にお得なケースが多いのです。