
ファイルシステムはデータ保存に必要不可欠なデータを保存や読み込むための取り決めです。
【フォーマット形式】とか【ファイルシステム】と呼びます。
データを保存するために不可欠なのが【ファイルシステム】です。ハードディスクの中にデータを入れる役割を持っています。【フォーマット形式】とか【ファイルシステム】とか呼び方は違いますが、基本は同じものを指します。
持ち運びに便利なUSBメモリー・スマートフォン・デジカメで使用するSDカード,ハードディスクのあるテレビレコーダー・携帯電話などといったように、あらゆる種類にもデータを記録するファイル形式が存在するのです。
USBメモリー・スマートフォン・SDカードなどはFAT16と呼ばれるファイルシステムを使用しています。
目次
主要なファイルシステム
ファイルシステムには主要なものとしてexFAT,NTFS,ext3,WAFL,HPFS,UFS,XFS,FAT,ext2,ISO9660,JFS,VTOC,ODS-5,ext4,HFS,UDFとなっています。
アップル製オペレーションシステムのMacはHFSXのHES+を採り入れています。ここでのHFSXというのは,マックオペレーションシステムXがUNIXを基準としています。
また、ジャーナルというのが追加されていることでファイルシステムが傷つくのを守ってくれて,オートでバラバラになっているファイルを正常なブロックにしてくれるアロケーションテーブルという保護機能の最適化も採り入れられています。
ウィンドウズのオペレーションシステム及びマックのオペレーションシステムにおけるファイル名は何文字まで付けられるのかというと,それぞれ制限があります。
ファイル名の文字数
HFSX系HFS+でのファイル名で付けられる文字数は255文字です。
また、ウィンドウズオペレーションシステムで採り入れられているNTFSの場合は,ディレクトリ名・ファイルは拡張子を入れた最大255文字となっています。
LANの環境ではLINUX系のオペレーションシステムを中継してくれます。
企業がデザイン系の場合だと,ウインドウズオペレーションシステムとマックオペレーションシステムとが一緒に使われていることが多いです。いずれかのオペレーションシステムへと準拠しているファイルシステムだと一緒に使えないのでほとんどのNASやRAIDサーバーはユニックス系列のファイルシステムとなっています。そのためext2でのファイルシステムを使用しています。
例を挙げると,アイ・オー・データ製ランディスクやバッファロー製リンクステーション、テラステーションのフォーマット形式ファイルシステムの場合はext2になります。
通常フォーマットとクイックフォーマットの違いとは?
SDカードでもハードディスクやUSBメモリーであってもそれぞれにフォーマット形式というものがあります。
しかし、ひとくちに「フォーマットする」と言っても【クイックフォーマット】【通常フォーマット】の2つがあります。呼び方は似ていますが、その役割は異なっているのです。
さらにフォーマットは【論理フォーマット】【物理フォーマット】があるのですが,【クイックフォーマット】と【通常フォーマット】共に【論理フォーマット】と呼ばれる種類になります。
ハードディスクの物理フォーマット
これまでの古いハードディスクには物理フォーマットが存在しました。
ですが、現時点では物理フォーマットというのはフロッピーディスク(FD)でしか使われていないのです。
なぜなら、ハードディスクにおける物理フォーマットはフォーマットしてしまったせいで逆に壊れてしまうといった事態が増加する可能性があるためです。さらに容量が数百、数千GBと大きくなったことでフォーマットに大幅に時間も要することになったからです。
論理フォーマットでもデータは消える!?
【クイックフォーマット】【通常フォーマット】のそれぞれの違いは次の通りです。
【通常フォーマット】が実行されると、データとしての管理情報となっている箇所が消えます。
保存されていたデータは記録してある状態での情報となります。
しかし、パソコンではデータエリアへのアクセスが不可能となってしまいます。見えなくなったことでデータ自体が消えたように感じますが、実はきちんと残されているのです。
また、【通常フォーマット】はハードデスクの中のセクター・クラスターといった不良領域を調べます。
論理フォーマット | 概要 |
---|---|
クイックフォーマット | 管理情報のみを消去 |
通常フォーマット | セクター・クラスターといった不良領域を調査修復後、ファイルシステムの再設定を実施 |
もし何かしらの不良領域があるとそこにチェックが入り、その後のデータの書き込み・読み込みを出来なくするというわけです。
【クイックフォーマット】の役割というと、【通常フォーマット】が行う不良領域チェックをしないです。理由としては、不良領域のチェック自体に数時間を要すからです。ハードディスクがどのような状態かやどれくらいの容量があるかで何と1週間近くも掛かっても終了しない場合もあるのです。
特にハードディスクなどにセクター不良、つまりBAD SECTORが発生している場合、フォーマトやチェックディスク(スキャンディスク)が進まず、永遠に終了しないといったケースがあります。
クイックフォーマットは何故処理時間が短い?
何時間もかかってしまう作業そのものを行わないのでその分時短へと繋がっていきます。
【クイックフォーマット】は管理されているエリア情報を消すだけでエラー確認は全くしないのです。
【クイックフォーマット】【通常フォーマット】のいずれも作業工程に要する時間だったりハードディスクがどう変わるかというのが大きくなりますが、ハードディスクやセクターに異常がなければ、双方ともにデータそのものはきちんと記録されているのです。
データを完全消去したいならば、ハードディスクそのものをフロッピーディスクと同じように【物理フォーマット】したらいいのではと考えがちですが,現時点ではハードディスク自体の物理フォーマットは実質的に困難です。
全てのデータ類を消すためには新たなデータを古いデータに上書きするしかないのです。例を挙げると,1テラバイトのデータに1テラバイトの他のデータを上書きする事で元々あったデータが壊れ読み込み不可となるのです。
ですが、データを消すためだけに,不要なデータの上書き作業や何度もフォーマットしていくのには手間がかかります。
データ消去ソフトの仕組み
そんな時には市販されているデータ消去用ソフトを利用することで意味のない01データを上書きして元々のデータを壊します。上書きするのにも回数というのがありますが、個人用のデータなら2回あるいは3回程01データを上書きすると元のデータは破壊され読み込み不可となります。
もしノート型パソコンやハードディスクが不要となり処分が必要となった場合には市販の消去ソフトを使ってみてください。
【クイックフォーマット】【通常フォーマット】で済ませるのではなく,データ類が保存されているエリアをしっかりと上書きしたうえで処分するという方法が最善の対策となります。
時間をかけずにハードディスク内のデータを読み込めないようにするには、物理的に破壊してしまう方法や強力な磁場を発生させデータを破壊するという方法もあります。
但し、物理的に破壊する方法はパソコンを売りたい場合などには向きません。処分したい場合のみ有効です。
クイックフォーマットとファイルシステムの記事まとめ
- フォーマットには論理フォーマットと物理フォーマットがある
- 現在、物理フォーマットはフロッピーディスクのみ
- 【クイックフォーマット】【通常フォーマット】ともに論理フォーマット
- 【クイックフォーマット】【通常フォーマット】ともにデータは残っている
- セクター不良が発生している場合、【クイックフォーマット】【通常フォーマット】でもデータは破壊またはアクセスできなくなる
- 【クイックフォーマット】は管理情報のみを消去するため早い
- 【通常フォーマット】はチェックディスク(スキャンディスク)を実行後にフォーマットを行うため時間がかかる
- 自分で再利用する場合には、【クイックフォーマット】だけで充分
- 【通常フォーマット】はリサイクルまたはオークションなどで買取してもらう場合に、正常であることを証明するために実施するケースが多い
- 処分する場合には、【クイックフォーマット】【通常フォーマット】だけでは、データが残っているため、消去ソフトを使った方が安全